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立ち上げからメインイベントまで

「さかえdeつながるアート」が誕生するまで

2008年4月初旬、「横浜アートサイト」の新規事業として栄区の上郷・森の家を会場に、アートイベントを立ち上げることが決定、実行委員会設立の準備に入りました。アートコーディネーター松本光世さんの「人と自然を大切にし、ひとりひとりのちがいを楽しみながら、さまざまな人が参加できるアート表現活動を行う」というコンセプトをベースに、新たなネットワークづくりを第一歩と考えました。

活動分野はそれぞれながら、集まってみればみんなアートに対する興味もなかなかで熱意も充分、人の出会いの不思議さを痛感しました。
実行委員会の目標を共有することに時間をかけながら、思いのこもった委員会名と役員も決定し、5月20日“さかえdeつながるアート実行委員会”が誕生しました。
11月のメインイベントまでに、アーティスト選定、地域への広報を兼ねた複数のプレイベント実施など、やるべきことは山積していましたが、様々な方面の情報やアイデアが豊富だったことは強みになりました。
7月には鎌倉からの新しい風、NPO法人ルートカルチャーとの出会いもあり、さらに拡がりを予感させる体制づくりとなりました。             〔岩上百合子〕

プレイベント1 「竹のキャンドル」アート展示&スタッフTシャツデビュー

竹に穴をあける。電気ドリルに体重を掛けて二つの穴を並べる。その穴に沿わせてジグソーで直線を二本入れると見事にハート型が出来上がった。これが、美術家北川純さんとの出会いでした。
実行委員会の席では何度か顔を合わせていましたが、実質的な交流は今回の作品「竹のキャンドル」制作のお手伝いから。これを機に、北川さんとは昨年11月に「上郷・森の家」で開かれたメインイベントの最後まで付き合うことになるのですが、気取った面もなくひたすら作品に向かう姿勢は大変好ましく思えました。私自身も趣味として絵を描くのでなんとなく息が合うものを感じ、北川さんの求めにできる限り対応することに。

本郷台駅前で開かれた「キャンドルナイト」では、実行委員全員が、北川さんが作成したハート型がちりばめられたスタッフTシャツを着込み、夕闇が迫る会場で優しく光を放つ「竹のキャンドル」を見上げ、イベントが最後まで成功する様に心をこめて祈っていました。〔淺野眞次〕

プレイベント2 「風船Tシャツ」アート展示&ワークショップ

あーすぷらざのご協力で「子ども映画会」とジョイントして実施されたワークショップは、「アトリエ太陽の子」スタッフの指導で映画にちなんだ図柄を選び、Tシャツにステンシル(型絵染め)をし、風船に着せて完成。それを北川純さんの作品「風船Tシャツ」と一緒に展示する内容です。
およそ100人のご家族が参加して、おとなも子どもも図柄や色にこだわり、自分だけの作品を楽しそうに仕上げているのが印象的でした。
計画中には、Tシャツを着た風船のもたらすイメージをめぐって議論し、実行委員会のメンバーの絆が一層強まりました。
あーすぷらざの大きな吹き抜けのアトリウムに、北川さんと子どもたちの作品、色とりどりの“風船の天使たち”が、空中をゆらゆらと漂う光景は圧巻でした。通り掛かった子どもたちの歓声や、上を見上げて思わず笑顔になる人々の様子がうれしく、力をあわせたひとりひとりが少し誇らしく幸せな気持ちを感じた瞬間でした。     〔岩上百合子〕



プレイベント3 「ハートの風穴」展示☆いたち川

爽やかな晴れ空の下、栄区のシンボルリバーと呼ばれている「いたち川」に、突如として現れたピンク色の物体・・・

“あれは何だ?!”“何の音が聞こえるの?!”“どんな音が聞こえるの?”と不思議そうに通りがかる街の人々が足を留めて尋ねてこられ、小さいお子さんからご高齢の方まで、たくさんの色んな方が集まってこられました。
今まで素通りしていた、いたち川のほとりのほんの小さなスペースが、一瞬にして、コミュニティーの場に早変わりしていく様を目の当たりし、自然の環境を活かした現代アートのチカラを思い知らされました。
朝早くから約3時間にもわたるハートの風穴の作品の展示設営準備中に、美術家・北川さんとのこだわりにどこまで付き添えるか?正直、少々不安もありましたが、実行委員の皆さんの連携プレーの良さと団結力で、現場での臨機応変な対応が出来たことが、成功の秘訣といってもいいかもしれません。
アーティストの北川さんをはじめ、実行委員の大塚さん、淺野さん、大谷さんご夫妻、松本さん、表具さん、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。また、途中から応援に駆けつけて来てくださった、岩上さん、栗原さん、小宅さん、三浦さん、池尻さん、シール貼りから後かたづけまでお力添えいただき、ありがとうございました。それから、朝の設営準備で苦労していたときに、たまたま通りがかったギャラリーの中からボランティアを買って出てくださった岩崎さんにも、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
ピンク色の「ハートの風穴」の設営に至る、感動ドラマ秘話を、いつか、ゆっくりと、改めて皆様にお話しできたらいいな・・・と思っています。  〔田中真弓/栄区役所〕

プレイベント3 「ハートの風穴」展示☆本郷台駅前

第2弾「ハートの風穴」の作品展示を本郷台駅前広場にて開催し、今回は、約1,000人もの方にご来場いただきました。通りがかりでご覧になっていかれた方を含めたら、3倍の3,000人位?いや、7,000人?・・・もしかしたら、もっと沢山いらっしゃるかもしれませんが・・・。
今回の駅前広場の展示会場では、JCNケーブルテレビの取材が入り、大塚実行委員長と栄区長のインタビューや展示会場のお客様の生の反応や声も取材いただくことができました。

『これは、ハートの風穴という美術家・北川純さんの作品です。
ちょっと覗いてみてください!!・・・何がみえますか?』と尋ねると、様々な反応が返ってきます。
『わぁ〜ハートだぁ〜!!』『へぇ〜おもしろいねぇ〜』・・・
『ふぅ〜ん』『えっ?これだけ?』などなど。想像以上に沢山の方々が興味をもって見にきてくださいました。
会場の様子と感想を少々・・・。3歳位の男の子が「ハートの風穴」を見て、『本物の芸術だ〜!!!』とぴょんぴょん跳ねながら叫んでいた場面がとても印象的でした。
「芸術」なんて難しい言葉よく知ってるね!どうして覚えたの?と問いかけたら、『ふつうに知ってるよ!!もうすぐ幼稚園にあがるから、漢字も読めるよ!』と自慢気に『本物の芸術だ〜!!!』
と何回も叫んでいました(笑)

他には、『何にも見えないよ〜透明のハートだよ〜』という声、可愛らしい若いお母さんからは、『真っ白い優しいハートが見えるぅ〜』、女子中高生たちからは『超―可愛いー!!』と、早速携帯を取り出し、写メで記念撮影。ご年配の男性からは『なんじゃこりゃー』『なんでハートなの?』『へえ〜』『なるほどね!!』という様々な声や反応の中、“えっ!!これは何?”とびっくりしたり、不思議そうな顔をしながら近づいてくるほとんどの方が、ハートの穴をご覧になって、自然と“笑顔”になっていました。
 これが、美術家・北川さん の本当のねらい?というか、伝えたい「気持ち」はこれなんだろうな・・・と思いました。

たった一つのアート作品を通じて、こんなにも沢山の方々との出会いが生まれ、ほんの一角のスペースが、コミュニティの場となって生まれるという発見に改めて驚きと新鮮さを感じる1日でした。

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平成20年度の新規事業として誕生した、この「横浜アートサイト連携事業」は、横浜市共催の事業であり、栄区としては後援という関わりの中、最初の立ち上げ段階から、担当市局である市民活力推進局と横浜市芸術振興財団と栄区と地域の実行委員会との役割分担については、最後の最後までその都度、論議をして進めてきました・・・大変でした。
また、アーティストの作品展示についても、いたち川や公共施設等区内のどこに展示をしていくかについても、アーティストご本人や区内各関係部署担当者や公共施設管理者と横断的に連携しながら調整していく点についても、様々な壁がありました。今後、このような調整を誰が担うのかは大きな課題だと思います。

特に第1号作品の「ハートの風穴」と第2号作品「風船Tシャツ」の設置箇所下見から、試作品の展示会場探し、展示会場管理者との調整から当日の展示にまでに至るまで、アーティストの作品に対するこだわりと主催者側である地域の方々の想いを実現していくまでの間、実行委員の地域の方々と一緒にたくさんの壁を乗り越えてきました。

私は、行政マンは誰もが時として街づくりのコーディネーターであると思っています。だからこそ、色んな人とのお話や意見を聞いたり、相手に捕らわれず、素直な気持ちで聞くことは、私のモットーです。そこから得たヒントや発想、目標に向かって努力を惜しまないこと、そして、気持ちにゆとりを持つことも大事だと思っています。
どんなことでも、時代のニーズに対応しながら、何のためにあるのか?どうあるべきか?を基本の念頭におきながら、一つづつ、一歩づつ、日々努力しながら良い意味で、変化、変革、改良していくことは永遠の課題です。
今回の事業に関わらせて頂いたことで、今まで予想もしていなかった分野の方々との新しい出会いがあったこと、協働という枠組みから超えた、地域の方々と太い絆ができたことは、仕事冥利に尽きるというか、私自身にとっては何よりも大きな財産だと思っています。

今後も、地域のいろんなネットワークやつながりを少しづつ開拓しながら、さかえの街を魅力溢れる街づくりのお手伝いができたらいいなと思っています。
最後に、今回の企画準備から当日の運営に至るまで、熱いハートをもってご尽力くださった地域の実行委員の皆さん、本当にお疲れさまでした。〔田中 真弓/栄区役所〕